連載・トピックス / 不動産投資

失敗しない中古マンション投資

設備にとらわれるとよい物件とダメな物件の区別がつかなくなる

2019/12/05 佐々木秀行

文/斎藤 岳志

テッパン設備とそうでない設備

「入居者に人気の設備ランキング」というものが毎年発表されます。

このランキングは、『全国賃貸住宅新聞社』が全国の不動産管理会社数百社を対象に「この設備があれば家賃が高くても入居が決まるもの」と「この設備がなければ入居が決まらないもの」を独自に調査・集計。ランキング形式で発表しているものです。
単身者向け賃貸住宅の2019年度版でのベスト3は、1位インターネット無料(前回1位)、2位オートロック(前回3位)、3位宅配ボックス(前回2位)でした。過去を見てもインターネット無料は常に1位、オートロックと宅配ボックスについても順位は入れ替わってはいるものの17年からベスト3に変化がありません。

そのほかの順位は表の通りですが、10位外から入ってくる設備があったり、ランキング外に落ちたりするなど、4位以降は毎年変動しています。また、そのときどきで賃貸住宅のトレンドも読み取れます。

例えば、「備え付き家具・家電」が18年にいきなり4位に登場しましたが、19年版ではランキング外になっています。
断捨離、ミニマリストというモノを捨てる、モノを持たない生活スタイルが注目されるなか、18年ごろは住まいについては「持ち家vs賃貸」ではない、第3の選択として「サブスプリクション型住宅」といったものが登場しました。いわゆる定額サービスのサブスプリクションビジネスと相まって住まいの新しいスタイルとして、会員制の「備え付き家具・家電」の付いた住宅を、気分で住み替えるということが注目され結果ではなかったかと思います。

ランキングなどを見る場合のポイントは、ベスト3のインターネット無料、オートロック、宅配ボックスはテッパンの必須な設備としても、それ以下のものについてはあまり重要視しなくてもよいものもあるということでしょう。
とはいえ、こうしたランキングで注視しておきたいのは、ランキングは下のほうでも常にランクインしている設備です。
具体的には「独立洗面化粧台」「浴室換気乾燥機」、またオートロックも含めた「防犯カメラ」や「ホームセキュリティ」といった防犯設備です。

必要なのは設備ではなく、物件見極めの基準

こうした調査を参考に物件を選ぶのは1つの目安になりますが、やはり、自分の目で見ることもとても大切です。実際に区分マンションをいろいろと見ていくと、よい物件、ダメな物件の違いというのはだんだんとわかってきます。

例えば、いまや必須の設備になっている洗濯置き場ですが、単身者向けのマンションで築20年以上前の物件では、洗濯機置き場がない部屋やあってもバルコニーに設置されている物件が意外と多いのです。
これは2000年以前のマンションでは、居住スペースを広くするために洗濯機置き場のスペースを取らなかったためです。とくにこの当時は、単身向けというとまだワンルームマンションが主流だったこともあります。そのため1階にコインランドリーがあるケースも多く見られます。

しかし、近くにコインランドリーがあっても、室内に洗濯機置き場がない物件を選ぶのはNG。また、バルコニーの洗濯機置き場もダメな物件です。

「女性に選んでもらえる物件」――これは私の物件選びの一貫した基準です。そもそも女性に受け入れられない物件では、それだけで入居可能な人の半分を失ってしまう。また女性に選んでもらえる、住みやすい物件は男性にも住みやすい物件ともいえるでしょう。

洗濯機置き場にしても、一人暮らしの女性にとって洗濯をバルコニーで行うのは、誰かに見られているのではないという不安がつきまといます。また、洗濯機置き場のない部屋に洗濯機を置くには、給水や排水をどうするのかという問題、そもそも部屋のどこに置くかも大きな問題になりますし、洗濯機がないのは、男女ともにとても不便ですよね。

こうして見てくると、入居者に人気の設備ランキングの下位でも見逃せない設備である「独立洗面化粧台」「浴室換気乾燥機」、またオートロックも含めた「防犯カメラ」や「ホームセキュリティ」といった防犯設備もまた女性にとってはとても関心の高い設備といえるでしょう。

むしろ、この視点を外さなければ、「バス・トイレが別」というような、巷間いわれているような“常識”は無視をしてもよいと思います。実際、私の経験からは「バス・トイレが別」は必須な条件ではなく、私が保有している物件の半分は「バス・トイレは一緒」です。
物件探しをしていると、どうしても設備面に目が向かいがちになります。しかし、設備が付いていればよいとわけではありません。何を基準にして物件を見極めるか明確にして見ていくことが重要で、それに必要な設備があるか、ないかで見ることで、設備の有無に惑わされない物件選びができるのです。

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