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知っておきたい!

入居者さんの意見・要望をどうキャッチする?尋ねずに「体感」する奥の手も…!

2019/10/29 住まいの大学

文/住まいの大学編集部

画像/123RF

賃貸マンションやアパートの住み心地、すなわち商品力を誰よりも知っている人といえば? いうまでもありません。それは、そこに住んでおられる入居者さんです。管理会社の担当者も、仲介会社のスタッフも、どんなに頼りになろうとも、入居者さんには敵いません。


いかに彼らが優秀であっても、オーナーさんの物件に実際に住んでいるわけではないからです。物件の強み、弱み、問題点、いま起きていること…。賃貸経営に活かすため、そうした情報をオーナーさんが確実に手に入れたいのならば、本来は入居者さんに話を聞くのが一番です。


そのためのいくつかの方法をご紹介しましょう。


1.アンケートをとる

入居者さんにアンケートを書いていただくオーナーさんがいらっしゃいます。主なタイミングは退去時ですが、入居後半年くらいが経った頃や、更新時も併せるとより効果的です。


■退去時アンケート

退去される入居者さんに、住み心地はどうだったか、不便な点はなかったかなどをお尋ねします。退去のタイミングは、入居者さんが、物件や物件の管理状況について、もっとも本音をぶつけやすい機会です。


■入居中アンケート

更新時や、入居の半年後など、キリのよいタイミングで意見や要望をお聞きします。ただしこのとき、「今後も住み続けるのに文句は言いにくい」など、入居者さんが本音を隠してしまうことがあります。退去時アンケートと併せて行うのが効果的です。


■小さな謝礼の用意を

こうしたアンケートを行う際は、たとえば「少額のQUOカードを1枚」など、多少の謝礼を添えておくのがおススメです。入居者さんから声を募ることへのオーナー側の本気度を示すことができるからです。


また、これらアンケートの実施については、オーナーから直接記入をお願いする方法、管理会社や仲介会社を経由する方法と、二通りのやり方があります。後者を選ばざるをえないケースも多いでしょうが、本当はあまりおススメできません。管理会社の普段の仕事ぶりや、契約時の仲介会社の対応などに関しての意見が拾いづらくなるのがその理由です。


2.退去時ヒアリング

書いてもらうアンケートではなく、直接生の声をお聞きします。退去の際にオーナーが立ち会い、これまで住んでくださったことへのお礼を伝えるとともに、意見などをお尋ねするやり方です。


入居者さん、オーナーさん、互いのマッチングによっては、もっとも忌憚なく、具体的な意見をいただける方法かもしれません。


3.普段から直接お話を聴く

成功しているオーナーさんの中には、物件の掃除やメンテナンスなどを日常的に行いつつ、そこで出会った入居者さんとご挨拶を交わしたり、立ち話したりする中で、意見を吸い上げ、物件運営に活かされている方が大勢いらっしゃいます。


この方法の最大のメリットは、物件に何か問題が起こりつつある場合、それを早期に発見しやすいことです。


「この前の台風以来、屋根のあたりからおかしな物音がしています」
「〇号室さんと〇号室さん、先週ケンカしてましたけど」
「真下のお部屋なんですが、最近子どもを叩くような激しい音と泣き声が…」


そうした、管理会社もキャッチできない、賃貸経営の浮沈にかかわるようなトラブルの種や、


「3階に上がる階段の照明が切れています。足元が暗いです」


小さくとも大事な情報が、スピーディに手に入ります。


4.緊急アンケート

3とは逆に、何かハプニングやトラブルがあった際に、それをよい機会として入居者さんから一斉にアンケートをとったり、ヒアリングしたりするやり方です。たとえば…


「最近お隣のアパートで空き巣が発生しました。皆さんもどうぞご用心ください。お気づきの点や、ほかのことでも気になることがあれば何でもお聞かせください」


「〇月〇日の地震でのお怪我等はございませんでしたか。お気づきの点や、そのほかご要望があれば何でもお聞かせください」


このように、発生した事件等を上手く呼び水とすることで、その他さまざまな意見や不満、情報なども拾いあげてしまうかたちです。


こうした「声かけ」は、入居者さんを気遣うオーナーの温かい気持ちの表現ともなって、相手へ伝わります。そこもねらいといえばねらいです。エントランスなどへの掲示のかたちで行うのもよいでしょう。


5.試し住み

最後です。以上に挙げたほか、オーナーさんがご自身の物件のことをよく知るためには、こんな方法もあります。入居者さんの力はお借りしません。ではどうするのか?といえば、こうします。


「オーナーさん自らが入居者になってしまう」のです。


空室が発生したら、そこに泊まり込むのです。試し住みをしてみるのです。コツは、平日と土日・休日、両方の様子をしっかりと体感することでしょう。これを実践されているオーナーさんは、実際ほとんどいません。ですが、数少ない経験者の方々、口を揃えて「やってよかった」とおっしゃっているのが特徴です。


物件への試し住みをすると、本当に色々なことがわかります。


「なんて寒い部屋なんだろう」
「この物件の周りって、夜はこんなに暗くて寂しいんだ」


「階段の昇り降りの音、響くなぁ…」
「下水管、ちょっと臭うぞ!」


「通りの車の音が一晩中ひっきりなしだ。入居が長く続かない理由はこれだろうか。リフォームの際は窓を防音仕様に変えないと…」


「なぜここにドアが無いんだ?冷房も暖房も台無しじゃないか!」


中には、「私がいまの家賃でここに住めといわれたら、とても我慢できない」と、ショックを感じるオーナーさんもいらっしゃることでしょう。ですが、それでよいのです。それこそが、少しでも入居者さんへご満足を差し上げることのできる環境へと、物件を地道に改善していくためのよいきっかけです。


(文/朝倉継道)

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