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なかなか普及しない「定期借家」の使いどころ(1/3ページ)

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イメージ/123RF

「定期借家という制度があるのは知っているけれど、まったく利用したことはない。縁がない」そうおっしゃるオーナーさんも、たくさんいらっしゃることでしょう。定期借家制度は、平成11年(1999)に借地借家法の一部改正により創設され、翌平成12年3月に施行された制度です。

定期借家のもとでの賃貸借契約では、

・契約で定められた期間の満了により
・更新されることなく契約が終了

します。

いわば、単純でスッキリした、わかりやすい制度です。対して、従来の賃貸借契約では、いわゆる正当事由がなければ、貸主側からの更新拒否ができません。

そこに加えて、

・正当事由として認めてもらえる要件の重さ
・それを補うために要求されやすい立退き料

と、いった事情から、現実には、「一度部屋を貸した相手に対して、意に反して出て行ってもらうことは困難」な制度になっています。

そこで、そうした従来のかたちに加わる新たな選択肢として始まった定期借家ですが、誕生から20年になる現在も、なかなか普及は進んでいません。

アットホーム株式会社が今年(2019年)の5月に公表した「首都圏の居住用賃貸物件における『定期借家物件』の成約状況(2018年度)」によれば、

・定期借家物件の成約数は6,529件。前年度比0.9%減
・居住用賃貸成約物件に占める定期借家の割合は3.0%

となっています。わずか3%です。

理由はいくつか挙げられますが、一番は、なんといっても強力な借主保護の考えに立った従来型の契約がそのまま存在していることでしょう。とはいえ、この定期借家制度、上手に利用しているオーナーさんも中にはいらっしゃいます。

「契約期間満了後、望まない入居者さんに居座られる心配がない」
「もちろん双方が望むならば、再契約して何の問題もない」

と、いった点をうまく活用し、賃貸経営の安定に結びつけているのです。

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