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日本の住まいの工夫

坪庭の魅力

2019/11/03 横山せつこ

文/横山せつこ

「もう彼岸花が咲く季節か。」

ふと目に飛び込んでくる自然の風景は、せわしなく過ぎていく毎日に発見や情緒を与えてくれます。

私もマンション暮らしが長くなり、ベランダで育てている植物といったら一年中変わらず元気な「オリーブ」くらいです。日当たりが悪いのか、一向にお花が咲く気配がありません。

「うちに小さなお庭があったら、最高なんだけどなあ。」

小さな庭といって思い出すのは、「坪庭」です。

1.坪庭の歴史は?

「坪庭」とは屋敷内にある空間で、周りを塀や垣根に囲われた小さな庭のことです。
「坪庭」の発祥は、京都の住居「町家」と言われています。安土桃山時代に作られた京都の住居は、間口が狭くて奥行きがある長細い形をしていたそうです。そんな建物が隣接していたため、なかなか室内に光が入ってきませんでした。さらに風通しも悪かったそうです。そこで住居の中間に小さな庭園を作りました。これが「坪庭」です。このおかげで採光や風通しがよくなり、さらに石灯篭や手水鉢をはじめ、植物を坪庭に取り入れるようになりました。室内にいながら自然の景観を楽しむことができたのです。

2.坪庭の長所と短所

「坪庭」には、木や竹、草花、灯篭などを置くのが一般的でした。いわゆる「和」の空間で旅館などでも多く見ることができますよね。最近では、戸建ての住宅に「坪庭」を取り入れる方もいます。洋風の戸建てにも合うように、レンガなどを使った洋風な「坪庭」まで。とても可愛らしい空間です。

さて、現代でも愛される坪庭の長所とは一体なんでしょうか?

やはり坪庭の魅力は、採光や風通しが良くなること。さらに部屋に開放感を与えることができ、自然を日常に取り込むことで癒しを得ることができます。また通常の庭に比べると、比較的コンパクトな庭のため、メンテナンスが行いやすいといころも魅力の一つです。また周りに囲いがあるため、子どもが外に出るのも安心ですね。

反対に坪庭の短所はなんでしょうか?坪庭があることで、居住空間はどうしても狭くなってしまいます。また家の中に外気と接する空間があるため、通常のお家と比べると断熱性が低く、エアコンが効きづらいと感じることがあります。坪庭は比較的面積は狭いので手入れは楽ですが、やはり何もしないわけにはいきません。坪庭の植栽のお手入れをしたり、坪庭に面したガラス窓を磨くなどのケアが必要になってくるでしょう。

マンションのベランダを坪庭風にDIYする方もいるようです。坪庭を造るために必要なものを悩んでしまう方向けに、竹垣や手水鉢、植栽などがセットになっているキットも販売されています。ちょっとしたスペースを確保できれば手軽に坪庭造りにチャレンジできそうですね。

もし私の家に坪庭を造るなら・・・お風呂の横がいいですね。お風呂の窓から、坪庭が覗けるようにするのです。癒しの空間である浴室が、坪庭の自然と相まって、ますます落ち着く空間になります。露天風呂気分を味わえるなんて、最高の贅沢ですよね。

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