坪庭の魅力(1/2ページ)
横山せつこ
2019/11/03
「もう彼岸花が咲く季節か。」
ふと目に飛び込んでくる自然の風景は、せわしなく過ぎていく毎日に発見や情緒を与えてくれます。
私もマンション暮らしが長くなり、ベランダで育てている植物といったら一年中変わらず元気な「オリーブ」くらいです。日当たりが悪いのか、一向にお花が咲く気配がありません。
「うちに小さなお庭があったら、最高なんだけどなあ。」
小さな庭といって思い出すのは、「坪庭」です。
1.坪庭の歴史は?
「坪庭」とは屋敷内にある空間で、周りを塀や垣根に囲われた小さな庭のことです。
「坪庭」の発祥は、京都の住居「町家」と言われています。安土桃山時代に作られた京都の住居は、間口が狭くて奥行きがある長細い形をしていたそうです。そんな建物が隣接していたため、なかなか室内に光が入ってきませんでした。さらに風通しも悪かったそうです。そこで住居の中間に小さな庭園を作りました。これが「坪庭」です。このおかげで採光や風通しがよくなり、さらに石灯篭や手水鉢をはじめ、植物を坪庭に取り入れるようになりました。室内にいながら自然の景観を楽しむことができたのです。
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イラストレーター、ライター
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